
「2010年 おすすめ文庫大賞」(啓文堂大賞 文庫部門)の候補作品は選考の結果、以下の14作品に決まりました。
啓文堂書店全店において、10月1日から1ヶ月間にわたる候補作品フェアを開催し、期間中の販売部数とお客さまの投票により「おすすめ文庫大賞」を決定いたします。
選りすぐりの候補作品の中から、お気に入りの1冊を見つけてみてはいかがでしょうか?
※「2010年 おすすめ文庫大賞」は、椙本孝思さんの『THE QUIZ』(アルファポリス)に決まりました。
詳細はこちらをご覧ください⇒ 2010年 おすすめ文庫大賞が決まりました
また、候補作品フェア期間中は多数のご参加をいただき、誠にありがとうございました。
【候補作品(作品名五十音順)】
赤い病院の惨劇著者:川田弥一郎 出版社:祥伝社 価格:730円(税込) ISBN:9784396326319 東京近郊にある赤修台第一病院の中庭で准看護婦の堀川映子が死体で発見された。折しも周辺では"ナースの敵"と呼ばれる痴漢強盗魔が出没していたが、死体に性的暴行の痕跡はなかった。院内の准看護学校に働きながら通う飯沢めぐみが、同級生の小西京子とともに犯人探しを始めた矢先、第二の殺人が起こる。医師でもある著者が贈る、長編本格推理の傑作。<ここがおすすめ>『白く長い廊下』で江戸川乱歩賞を受賞した著者の現代医療ミステリー。現代医療モノに留まらず「江戸の検屍官シリーズ」に代表される時代モノでも定評のある著者。探偵役の看護学生の謎解きは、医療関係者ならではの視点で小気味よく展開していきます。また、医療関係の記述もさることながら、そこに関わる人物のさまざまな人間模様が巧みに描かれています。現在、ひとつのジャンルとなった「医療ミステリー」の先駆けとなったとも言える作品です。 |
あやまち著者:沢村凛 出版社:講談社 価格:660円(税込) ISBN:9784062763806 帰宅途中の電車のなかで偶然気づいたひそやかな追跡劇。ようやく幸せをつかんだかに見えた私につきまとう尾行者。地下鉄の駅の階段を歩いて上る者同士として意識するようになり結ばれた恋人。彼はこの尾行者と何かつながりがあるのか?・・・。 この作品は、前半部分は恋から遠ざかり独り身の気楽さを感じている三十代間近のOLの希実が毎朝、地下鉄の階段で追い越される男性に興味を持ち、そして付き合い始めるという恋愛小説として楽しめます。その後、男の行動に不可解な点が出てきたり、希実が黒子の男に付け回され始めたりするなど、徐々ミステリー色が強くなります。そしてついに彼の「あやまち」が明らかに・・・。恋愛小説としてもミステリーとしても、どちらも楽しめ、読み進めるに従って、ぐいぐいと引きつけられ一気に読める1冊です。 |
踊る天使著者:永瀬隼介 出版社:中央公論新社 価格:880円(税込) ISBN:9784122051072 赤羽で火災事件が発生。現場に突入した消防士・遊佐は口を裂かれ手を縛られた遺体を発見する。数日後、今度は新宿歌舞伎町で火災事件発生、35人もの犠牲者を出したこの現場にも赤羽同様、口の裂けた遺体が発見される。2つの事件は連続放火殺人事件なのか...!? 不謹慎ながら著者の永瀬さんは、前世では火事で亡くなったのでは・・・!?というくらい、火災現場のシーンが壮絶で圧巻。と同時に過去の忌まわしい事件が"手紙"で少しずつ明らかになってゆく様も読ませる。歌舞伎町を舞台に訳ありの男女混成チームが謎の放火事件に飛び込んでいく。リアルな事件描写と街に蠢く曲者達が絡み合い、読み進めるうちにまるで自分もチームの一員になったような臨場感。最後の"手紙"が切なくてやりきれない。 |
階段途中のビッグ・ノイズ著者:越谷オサム 出版社:幻冬舎 価格:630円(税込) ISBN:9784344414754 「これはいい!素晴らしい! シンプルでキャッチーでキュートでファニー。 暑苦しいのに爽やかで、情けないけどひた向きで、 恋あり友情あり葛藤あり青春ありと、青春ど真ん中なのに、鬱陶しさは皆無。 なにより、読んでいてとても気持ちが良かった。 こんなにストレートに「楽しい!」と思える青春小説は久しぶりだ」 (以上あとがきより引用) どうだろう、このワクワクしてくる感じは。 いま青春の真っただ中にいる人も、青春なんて遠い過去になってしまった人も。 一時すべてを忘れて、小説の面白さにのめりこんでみませんか? |
神の棄てた裸体 イスラームの夜を歩く著者:石井光太 出版社:新潮社 価格:580円(税込) ISBN:9784101325316 「イスラームの国々では、男と女はどのように裸体を絡ませ合っているのだろう」という疑問を持った著者が、東南アジアや中東のナイトクラブや売春宿で働く人や路上生活者を取材した、というよりも共に生活した記録です。インドネシアの少女売春婦やイランのナイトクラブで働く女性、路上生活をしている同性愛者、彼らの生活は私達が知っているイスラームとは別の現実があることを思い知らされます。そんな彼らたちに著者は自分に何が出来るのかを模索します。その姿は自分の価値観と彼らの価値観が合わない事のほうが多かったり、正論では全く通用しない事実があり、その中でも行動する著者の姿は痛々しく映るのですが、それでも読まずにはいられない力を持っています。どんなフィクションよりも衝撃を受けたという点で、この本を推薦します。 |
霧のソレア著者:緒川怜 出版社:光文社 価格:740円(税込) ISBN:9784334747435 テロリストが仕掛けた時限爆弾によって、太平洋上を飛行中のボーイング747が大破。機長を失うが、女性副操縦士の奮闘で、成田空港へと向かっていた。しかし、通信機器が突然使用不能に!米政府、CIA、日本政府、そして北朝鮮―。国家間の暗闘に翻弄される747の運命は?第11回日本ミステリー文学大賞新人賞に輝く、興奮と迫真の航空パニック小説。 北朝鮮核開発をめぐるインテリジェンス戦を縦糸、傷ついたジャンボジェットの運命を横糸として物語が重層的に紡がれていきます。作者の圧倒的な航空知識をベースにして最後まで息をつかせない、文字どおり、着陸地点が見えないハラハラドキドキ小説です。 |
THE QUIZ著者:椙本孝思 出版社:アルファポリス 価格:599円(税込) ISBN:9784434140594 優勝者には賞金1億円。華々しく広告された視聴者参加型の新クイズ番組。しかし、そこで待っていたのは、死と隣り合わせの残酷ゲームだった。果たして決勝に進んだ十人の回答者の運命は?そしてクイズの真の目的とは?新世代ホラーの鬼才・椙本孝思が放つ恐愕の異色ホラーミステリー。 「勝てば1億、負ければ地獄」優勝賞金1億円の裏には想像を裏切る真実が待ち構えています。投げかけられるQUIZ、参加者に降りかかる惨劇と驚愕の結末まで第1級の作品に仕上がっています。是非ご堪能下さい。 |
ジェシカが駆け抜けた七年間について著者:歌野 晶午 出版社:角川書店 価格:540円(税込) ISBN:9784043595051 米国ニューメキシコ州にある長距離専門の陸上競技クラブNMAC。日本人が主宰するこのクラブの所属選手、エチオピア出身のジェシカ・エドルは、日本人選手アユミ・ハラダの異変に気づいた。アユミは夜ごと合宿所を抜け出し、呪殺の儀式を行っていたのだ。アユミがそこまで憎む相手とは誰なのか?彼女の口から明かされたのは、意外な人物の名前と衝撃の事実だった...。 誰もが騙されたであろう仕掛けが施された『葉桜の季節に君を想うということ』で2004年このミス 1位に輝いた歌野晶午さんですが、この作品にも前述の作品に劣らないトリッキーな仕掛けがあります。見破るのではなく騙される快感味わってみませんか? |
ダブル著者:永井するみ 出版社:双葉社 価格:780円(税込) ISBN:9784575513325 読んだ最初の感想は、「女は怖いな」と真っ先に感じました。犯人が事件を起こした動機に関して、「本当にそんなことで?」と思ってしまう様なささいな出来事ばかりですが、女性の中には同じように普段は表に出さないだけで他人には分からないような理由でストレスを溜め、それをどこかで裏で吐き出している人が本当にいると思わせるだけのリアリティと説得力のある文章になっています。 先が気になる展開でぐいぐい引き込まれ意外な真相にたどり着くラストまで一気に読めます! |
天才たちの値段著者:門井慶喜 出版社:文芸春秋 価格:620円(税込) ISBN:9784167782016 美術の真贋をめぐる短編ミステリー。 簡潔に表現すると、探偵ガリレオ美術版です。 美術品の真贋を、味覚で感じ取れるという 主人公と美術講師を中心とした個性的なキャラクター。 文藝春秋社さんの大ヒットシリーズ、 探偵ガリレオや精神科医伊良部を彷彿させてくれます。 美術知識に関わらず、読書好きを満足させられる1冊。 単行本で、シリーズ2作目『天才までの距離』 も刊行されております。 またおすすめ文芸書大賞候補作でも『おさがしの本は』(光文社)でノミネートされている作家です。 |
仁侠スタッフサービス著者:西村健 出版社:集英社 価格:680円(税込) ISBN:9784087465631 人間味あふれる福岡のヤクザたちの魅力にハマったら、もう後戻りはできない。舞台は威勢のいい九州弁が飛び交う福岡。旅行代理店を経営する飯田典嗣。人手不足で困っていたところに、<倶利伽羅紋々スタッフサービス>という怪しげな名前の会社から人材派遣の提案をされる。ところが後日派遣されてきた二人は、今時珍しく礼儀正しい、優秀な若者。思わぬ拾い物と喜んだ飯田だが、ある日とんでもないことに気づいてしまう。二人の小指の先が、、、ない!!もしかしてヤクザ!?飯田典嗣をはじめとする7人の小市民がひょんなことから仁侠団体・三代目馬場一家のフロント企業、<倶利伽羅紋々スタッフサービス>なる人材派遣会社の役員として籍を置くことに。彼らの狙いは一体何なのか。戦々恐々とするなか、馬場一家撲滅を狙う警察も絡んできて、物語は一気にクライマックスへ。一体何が起こるのか、最後に勝つのは??息もつけない"大痛快!!コンゲーム" |
百万のマルコ著者:柳広司 出版社:東京創元社 価格:720円(税込) ISBN:9784488463045 囚人たちが退屈に苦しむジェノヴァの牢獄。新入りの囚人「百万のマルコ」ことマルコ・ポーロは囚人たちに、はるか東の国々で体験した不思議な話を語り始める。黄金が溢れる島ジパングで莫大な黄金を手に入れた話・競馬無敗の大ハーンに競馬で勝った話etc・・・。でも、いつも肝心な「どうやって」の部分は絶対に話さない。しびれを切らした囚人たちは、自然と推理合戦を始めるが・・・。 「マルコの胡散臭さ」と「適度に考えさせられる謎」によってスイスイ読めてしまう。胡散臭いアジア地域の描写に、毎回「ないない(笑)」と突っ込みながら読んでいると、終盤に予想もしない展開が待っている。なんと、マルコは囚人たちの身代金を本当に払ってしまうのだ!コイン一枚持っていないマルコが何故・・・?そしてラスト。囚人が見た、マルコが持つ莫大な財産の正体とは? 鮮やかなラストが印象的な傑作。 |
万寿子さんの庭著者:黒野伸一 出版社:小学館 価格:650円(税込) ISBN:9784094084399 20歳の乙女と78歳の乙女(?)の友情の物語。 京子は短大を卒業し、引っ越してきた。家の隣に住んでいたのはなにやら変わり者のおばあちゃん。最初は嫌がらせやケンカばかり。そんな二人も、時間が経てば大きな声で同時に「友達です」と人に言ってしまうほど仲良しに。でもそこに無情にも老いというものは近づいてきて。 最初、孫以上に歳の離れた2人が友達になれるのだろうかと疑問を持ちました。しかし読み終えて友達に対する考え方が何か間違っていたように感じました。どこか友達は年齢が同じ世代という固定観念を持っていたのです。年齢が違っているからこそ、お互いが生きてきた時代も違っていて、お互いに成長し合える。そんな素敵な2人の感動的なお話です。 |
ラ・パティスリー著者:上田早夕里 出版社:角川春樹事務所 価格:660円(税込) ISBN:9784758434737 森沢夏織は、フランス菓子店の新米パティシエ。ある日、誰もいないはずの厨房で、飴細工作りに熱中している、背の高い見知らぬ男性を見つけた。男は市川恭也と名乗り、この店のシェフだと言い張ったが、記憶を失くしていた。夏織は店で働くことになった恭也に次第に魅かれていくが・・・。洋菓子店の裏舞台とそこに集う、人達の切なくも愛しい人間模様を描く、パティシエ小説。 おすすめポイント!1.普段ケーキ店の店頭で目にする豪華なケーキやチョコレート菓子作りがいかに難しく経験が必要な仕事なのかが疑似体験できる体感小説です。2.表紙画に中村佑介氏の書き下ろしイラストを使用。3.スイーツが大好きな人達に送る、食欲の秋にふさわしい1冊です。「ベーカリー&カフェ ルパ」で薫り高いコーヒーといっしょにお読みください。 |
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